参考資料
概要
推薦図書
橋爪大三郎 (1988) はじめての構造主義, 講談社 Amazon
橋爪大三郎氏の「はじめての構造主義」は本領域の教科書としておすすめです。
3章では数学と構造主義の関係について解説されており、圏論へのつながりを見出すことができます。
それに加え、2章は本領域で米田の補題に関して言及することが多いソシュールの入門書としても非常に優れています。
内容もわかりやすく、哲学について全く知らない人でも理解できるように書かれています。
意識と情報の同型性
領域のコアとなるアイディアは、クオリアの構造と情報の構造は、同型(isomorphic)になっているという仮説です。
このアイディアは圏論の「米田の補題(Yoneda's lemma)」からインスパイアされて生まれたものです。
原著論文
Naotsugu Tsuchiya, Hayato Saigo (2020)
Applying Yoneda's lemma to consciousness research: categories of level and contents of consciousness
(日本語版論文:土谷・西郷(2019)圏論による意識の理解 認知科学)
一般向けの解説
土谷尚嗣, 大泉匡史, 山田真希子, 西郷 甲矢人 (2020)
「意識の神経相関」を超えて : 「意識の構造」と「情報の構造」の特徴づけ,そして「構造間の関係性の同定」を目指して
臨床精神医学, 49(3), 319-326. pdf
A search for an Isomorphism between conscious experience and structure of information
土谷による意識と情報の同型性に関するトーク
統合情報理論
本領域が着目する情報の構造という考え方は、統合情報理論(Integrated Information Theory(IIT))の中で提唱されたものです。
情報構造を定量化する方法は統合情報理論に限るものではありませんが、本領域のベースの考え方になっています。
原著論文
Masafumi Oizumi, Larissa Albantakis, Giulio Tononi (2014)
From the Phenomenology to the Mechanisms of Consciousness: Integrated Information Theory 3.0
日本語による解説
土谷尚嗣 (2020) 「意識とは」の研究に新たなアプローチ:注⽬される「IIT」とはどんなものか pdf (朝日ウェブ論座)
大泉匡史 (2018) 統合情報理論から考える人工知能の意識, 人工知能学会誌, 33(4), 460-467. pdf
大泉匡史 (2014) 意識の統合情報理論, Clinical Neuroscience, 32(8), 905-912. pdf
大泉匡史, 土谷尚嗣 (2012) 温度計に意識はあるか? -- 意識レベルの定量化へ向けた理論と実践, LiSA, 19(4), 352-359. pdf
IIT 3.0 Tutorial
土谷研究室による、IIT 3.0のチュートリアル動画
関連ツイート
This is so incredible. Can't imagine what it is like to be him... >10 years of misdiagnosis of unawareness, including his mother... https://t.co/AOBBsgwl01
— Consciousness - tlab (@conscious_tlab) September 10, 2021
12歳で植物状態と誤診され、"幽霊"のように10年間を過ごすことを余儀なくされた方のニュース動画です。
客観的に意識があるかを判断することは難しく、このように植物状態と誤診されてしまう方は少なくありません。